むげんの京都 後編
京都旅行2019の忘備録、後半です。
三日目の朝食
京都三日目の朝。白壁が眩しい。
一階の食堂で朝食を。かまどで炊いたツヤツヤ白米&西京焼きうま。
京都にはモーニングがおいしい喫茶店がたくさんあるので当初は素泊まりの予定だったのですが、二泊目以降は朝食を追加しました。というのも初日にいただいた菓子がすごく美味しかったので「ここで朝食も食べてみたい!」と思ったのです。案の定ひとつひとつががとても美味しい〜!!
映画と刀剣と大覚寺
今日は洛西へ。
おにゃん様
猫と庭園に定評のある梅宮大社。社殿の横に有料の庭園があります。庭園の前にまずはお猫さまを愛でる。なでなでしてたら通りすがりのご夫婦が庭園の入場券を譲って下さった。慌ててお支払いしますと伝えたものの、余ったものだからもらって〜と。なんと。ご夫妻に良い事がありますように!!(柏手)
庭園は予想の6倍ぐらい広かった。神社の方いわく今年のカキツバタは特に良い!らしい(2019年)
嵐山に移動しバスで大覚寺へ。これまた予想の100倍広くて大きなお寺でした。
見覚えのある廊下
大覚寺は時代劇などのロケ地常連の寺。大奥、あさが来た、みをつくし料理帖、多十郎殉愛記、スローな武士にしてくれ、などなど…どこかで見たことのある光景の連続で楽しかった。
大沢池と心経宝塔。ここは嵯峨天皇の離宮跡地。玄関に嵯峨菊が生けてありましたが、日本三大名菊の一つである嵯峨菊はもともと大沢池に自生していた菊を大覚寺が品種改良を行ったもの。かっては門外不出だったそうです。知らんかった。嵯峨菊可憐だよねえ。
働き者の膝丸。この後は知人二人と合流してピザを食べたよ。
最終日の朝
中庭の苔に水が撒かれるさまをぼんやり見やる
どこを撮っても絵になる宿
今日も美味しい!
朝食後は自転車を借りて北野天満宮に青紅葉を見に行きました。
雅なり
菅原道真公の言葉に打ちのめされたり
紅葉量に圧倒されたり
おにゃん様の足跡かわいすぎたり
兄者に会ったりしました。展示されてると知らなかったので嬉しかった。はからずも源氏の兄弟刀の実家をハシゴした。大覚寺は膝丸本尊は展示していないけど概念グッズが豊富だった。一方髭切はグッズ類はほぼ無いけど本尊がどーーーんと公開されていて解説ボイスは花江夏樹。二社のスタンスの違いが二刀のキャラクターと解釈一致で面白かった。
新幹線に乗る前にマンガミュージアムに寄ったよ。東京で見逃した竹宮恵子展が見たかったのです。
ジルベールに粉かけられるベンチ。最高。ジルベール・コクトー…わが人生に咲き誇りし最大の花よ、遠き青春の夢の中あかあかと燃えさかる紅蓮の炎よ、きみは我がこずえを鳴らす風であった、風と木ぎの詩がきこえるか、青春のざわめきがーーー(オタクの早口)思わず名作中の名文を諳んじてしまう。
ファラオの墓について、竹宮先生が「風と木の詩の連載実現のためにこれで読者アンケート一位をとろうと戦略的に始めた連載だったが、進めていくうちにキャラクターが育ち、物語をコントロールする喜びを知った。主人公だけでなくその背後のキャラクター一人一人に人生があり、その人物にしか語れないセリフを言わせる。そういった客観性が物語の厚みに必要な事であると発見できた。」とコメントされてて感嘆した。ファラオの墓で私が一番好きなシーンは主人公の部下が信仰とも言える忠誠心について語る場面ですが、彼にそう言わしめる背景が描かれてるんだよファラオには。読み返したくなっちゃった。
新幹線改札内でカルネを買って帰途につきました。
旅のまとめ
大人になって再訪する京都は楽しいとは聞いていたけど、本当に楽しかった。修学旅行のしんどさって名所をストイックに巡るあのスケジュール感にあるのかもしれん。今にして思えばあれも良い経験だったと思いますが。今回の旅は普段の休日と変わらないようなペースで過ごせたのが良かった。
あと、ムゲンさんが本当に素敵だった。朝の何気ない会話で近所に咲いてる花の様子を教えてくれたりする。一瞬だけどその地域の生活の循環のなかに加えてもらったような感覚。旅行誌のキャッチコピーで見かける「暮らすように旅する」という概念を少しだけ理解した気がした三日間でした。